コラム

【失敗しない老人ホームの選び方】Ⅲ.入居してから後悔しないために (1)立地

優先事項を整理する。100点満点のホームは存在しない。


老人ホームを選ぶポイントを挙げていくと際限がありません。

特に一時金が高額なホームの場合は、失敗は許されないというプレッシャーから、チェックは一層厳しくなります。

近年は一般書籍や雑誌でも、チェックポイントを整理した媒体は多数ありますが、100点満点のホームは存在しません。入居者本人の第一印象や希望を尊重した上で、優先すべきポイントを整理しておいた方が良いでしょう。

 

1)立地

慣れない土地に引越しをして認知症になることも 

認知症ケアにとって、従前の生活環境を変えないというのは鉄則です。

まずは、自身の行動範囲+αのレベルでホームを探しましょう。高齢者にとっては、住まい環境が大きく変化することはマイナスです。全く地縁の無い場所に引っ越すことで、認知症を発症するケースは多く、さらに、ストレスによって1日で胃に穴が開く事さえあります。

運営事業者も老人ホームの商圏を都市部であれば概ね3㎞圏程度で計画しています。地域によって、老人ホームの開設状況は異なりますが、まずは住まいのある市区部や馴染みの地域や沿線から探してみましょう。

 

訪問しやすい場所か

近年は駅前立地等、利便性の高い都市型ホームも珍しくなくなってきました。必ずしも、都市型立地である必要はありませんが、家族や知人が訪問しやすい立地はホーム選定で重要です。

例えば、最寄り駅から近い、車で訪問しても駐車場が近くにある、目印になる建物が近くにある等です。

 

散歩や買物が気軽にできる環境か

私がこの業界に入った当時、見学先の老人ホームで機会があれば入居者に対して「何がしたいですか」とお聞きしていました。

回答で一番多かったのは「外に出たい」です。

こんな回答をぶつけてくれる人はホームの中でも元気が良い方で、重度になるとそんな気も起きなくなります。

一方で、ホームが最も人手が取られるのが外出支援です。初詣やお花見等のイベントに興じて年に数回の外出イベントを行っているホームが一般的です。

自身で外出ができる状態であれば、近くにコンビニ等の買物ができる施設があると、毎日の外出のきっかけとなります。住宅地の場合は、身近に商店が無いケースもありますが、その場合は散歩ができる公園が身近にあるか調べてみましょう。

Print Friendly, PDF & Email