コラム

【失敗しない老人ホームの選び方】Ⅱ.老人ホームを選ぶ前に3/3

3)施設タイプは違えど、目指すべきゴールは同じ

続いて、多くの入居者の方が施設入居の際の懸念する点は次のとおりです。

 

まずはお金。経済的な条件です。

多くの高齢者は預貯金等の資産は持っていますが、日々の収入は年金に頼らざるを得ないのが現状です。今後、自身の生活費や医療費がどれだけかかるのか、あるいは将来的に支払えなくなったらどうするかは、最も気になるところです。

 

その次は、介護の質です。

要介護度が重くなってから退去を宣告されたり、退院後に受け入れてもらえないようなホームでは不安です。一度入居したら、できるだけ最期までホームで面倒を見て欲しいというのが本音でしょう。

このように、現在の老人ホームの求められるニーズは次の2点に収れんされてきます。

 

・自分の経済力の範囲で老後を全うしたい。

※子供に経済的な負担をかけたくない。

・要介護度が進んでも、最期まで面倒を見て欲しい。

※色々な施設や病院をたらい回しにされたくない。

 

当たり前の話ですが、前項で挙げたような制度や所轄省庁、施設タイプの違い等は入居者にとってはどうでもいいことです。実際に、入居者像、利用料金、サービスの質等を比較すると、施設タイプの違いというよりも、商品性の違いがホーム毎に様々であることに気付かされます。

むしろ、どの施設タイプであっても、それぞれの制度や基準の枠組みの中で利用者のニーズに応えられるかどうかが事業者に問われています。

                                                     ◇

例えば、10年前であれば

「重度になったら特養に住み替えして下さい」

「ここは特養の待機者用の住まいです」

等と平然と答えていたサ高住も、前述のとおり、近年では24時間対応の在宅サービスを併設していたり、保険外のサービスを組み合わせる事で、認知症や看取りまで対応するホームも増えています。このように、ホームの増加によって差別化や競争力が問われ、サービスの質は序々に向上しています。一方で、介護付だからといって、必ずしも優良なホームとは限りません。

 

こうなると、前項で特養と介護付を推奨しておきながら、いよいよどの施設が良いのかが分からなくなりました。種々の施設タイプが混在する玉石混合の中で、ホームを選ぶ際のポイントを次項から整理していきます。

Print Friendly, PDF & Email